3.11と多喜先生とサラバンド

2011年3月11日に起きた東日本大震災。

あの時も私たちピアノ指導者は、その後の計画停電で、
暗闇の中で暖房もつかなかったりした中で
どうやってレッスンをしようかと試行錯誤しました。

レッスンができない日、停電で、真っ暗で、
テレビもラジオもインターネットも使えない時間、
窓を開け放してピアノを弾いてみたりもしました。

そんな時に師匠である多喜靖美先生が「ギロック作曲のサラバンドにバイオリンのオブリガートのメロディが浮かんだので書き取ったの」とその後のどこかのステップで演奏していたのを聞きました。

心に染み入る美しい曲です。
今ではあのバイオリンのメロディがないと物足りなくなってしまうほど。

その曲はのちにトリオに編曲され全音出版から楽譜になりました。



今年、1月に他界された多喜靖美先生。

発表会でどうしてもこの曲を演奏したかったので
ヴァイオリンの守屋真琴先生に相談しました。

守屋先生も秩父国際音楽祭やそのほかで多喜先生と活動していたこともあったのでこの曲を見ていただいたとのこと。

まさかその後コロナ感染症が流行したり、
「自粛」や「休校要請」が出たりするとは思ってもいませんでした。

多喜先生の笑顔を思い出しながら、
先生の音にはなかなか近づけないけれど、
被災した方々への祈り、
現在のコロナ騒ぎが早く収束して
みんなが安心して過ごせるようになるように
心を込めて演奏させてもらいました。

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この記事を書いた人

頓所 裕子のアバター 頓所 裕子 Allemandeミュージック 主宰

埼玉県飯能市山手町にあるピアノ・バイオリンの音楽教室
Allemande(あるまんど)ミュージック 主宰

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